騒々し耳を塞いで引き蘢る
  暗闇の中の光と形



青々と死骸転がるいい日和
  うらぶれた路地のうらぶれた私



あめ色の数瞬に遭う絶望の
  大地広がるまだ残る寒さ



夕焼けの後の曇りの青い空
  何の未練を残したか(とき )



鈴蘭を縞瑪瑙もて打ち砕く
  泣き濡れる我を嗤う赤い新月



血の如きハロウを受けて影は立つ
  悲嘆の湖呑み干した夜明け



小さな悪夢を育ててみよう
  可愛い絶望を飼ってみよう
    ほら ほら どうぞ 破れる前に!



砕け散る身近な死の不完全体
  何事も無く登校する朝



白けた空に朝日が昇る
  中途半端な夜の弁明



虐殺を()めて無言で筆を擱く
  言い得ぬことに唇震える



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