胸開き翼と化して夜を飛ぼう!
  星に溢れて全てはひとつ



さゝやかな血の祝祭の準備する
  やさしい夜に幸せだ私は



鮮やかな光溢れる窓の外
  幾千の手が生命 (いのち )求めて



実測値誤魔化して歯を食い縛る
  万華鏡の底に沈む心



無記名か異物と成れる我の顔
  鏡の無い世界に棲む



白い虫汚穢の中を進み行く
  膨れ上がった空っぽの腹



照り返す没落の影サクサクと
  踏み付けて歩く肥えた白鳥
    無人の境内でスケッチを続ける



小雨日に同定してみた言の葉の
  主体溶け切らず鍋底に残る



沈黙を守れぬ我は我の儘
  森界一如手許に残らず



寒空に腹痛の儘立ち尽くす
  食う物の無くなった消費者



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