復活を約せし君と夏の崖
  ひっそり縮む我の妄執



よれよれのビルの壁面日を受けて
  尚立ち続ける春肌寒し



何もしないよりはましかと飯を食う
  腹を満たせ先ずそれからだ
    深淵は無くなったりしない



認識の狭間に在りて夢を見る
  虚焦点を持つ未成熟の目



濡れた虹残雪の上に架かりたり
  招きたる門刻々と消え



しっとりと濡れたる朝に黒髪を
  愛でる我の手何を哀しむ



顧みて青醒めた頬行き詰まる
  ()うにもならない (まなこ )がひとつ



羽根抜けて白舞雪に紛れたり
  はっと夢見る曇天の鼓動



来た道を元に戻らず振り返る
  前進するしか出来ぬこの足



ぬると出た目玉をぐいと噛み潰す
  ()だ見えぬ目を見開くヒヨコ



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