安直に死を完成と見る若さ
  我を笑へり友の名と共に



爛れた闇の中で目を
  抉って魚と成る日の夕べ
    手を握っては孤独に怯え
      無言の肉体とダンスを踊る



言い訳として時折にペンを執る
  氷雨冷たくずぷりと沈む



深夜より闇へと続く高架下
  歪む照明の列に沿って歩く



ぽっかりと開いた大口の中を行く
  乾いたる目は何も映さず



嬰児の血もて(あがな )はる
  唯ひとつから成る王国の
    万人が万人と成りて過ぎ行く
      織成す影の交叉する土地
        目を見開きて無限に見入る
          (しか )らば我と等しき者よ
            その(かんばせ )に我は呟く
              思い上がるなこの若造奴
                淵はまだ尚深く 昏い



無数の気分に無数の世界
  我を縁取る不完全な欠片 (かけら )
    (いず )れ余さず受け止めようぞ
      何れも真実也と思へば



沈む夕陽に伸びる影昏く
  巨大な虚無を呑み込んで深い
    先導する鳥輪郭融けて
      何処へも行き着かぬ長い長い長い道



血色を気にする我等月の稚児
  流れた先に千度の嘆き



見做し児と成れりトイレの中に消ゆ
  ぐるり流れて腐壊の海へ



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