干涸びた午後を呼吸す葉脈が
  目詰まりを起こすカサカサと重く



窮屈で堪らぬ脳の下で欠伸
  してみる今日は開店休業



軋るよな白鳥の声聞き乍ら
  無人の朝の雪を踏み締む
    どどと広がる朝焼け寒し



鼻面を引き摺り回さる欲望を
  金で買う也持ってみる也



梟が割った風船原稿を
  夢に求めてうたゝ寝する晩
    少女の顔が思い出さるゝ



()うしても咬み合わぬ歯で咬み砕く
  ()らば彼方に視線を遣って



()んなでも所詮は肉の塊か
  毛皮被った小さな猿か



うっすらと積もり積もったその悪意
  取り残された海は青くて



擦れ違い交わることの無い軌跡
  赤い少年の日々が融け行く



彫琢を経ないで我の形成る
  (いず )れにしても拙きこゝろ



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