壊れて弾ける小さなお墓
  昨日の私の葬儀の後の
    宴の名残りがまだ腹の底



橋の上佇む影の影長く
  異国の鋪道は冷たく響き



悍ましいことを何時でもやっている
  疲れた目には眠りのみ快く



呑気だね国だ恋だと近視共
  百年先なぞ存在もせぬか



名残り雪(けが )される前に融けて行け



背後にも何も無けれど振り向いて
  影を確かむ小さき虚無よ



(ぬく )む陽に身を晒したる小春日の
  フラットな午後目を細めてみる



会話する烏の声を聞き乍ら
  さびしい言葉風に吹かれる



残雪の融け掛けて尚融け切らず
  地面の記憶いじくってみる



白い日の頁捲りて沈み込む
  焦点の合わぬ午後の風景



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