懺悔する最中に新たな罪犯す
  斯くて時間は紡がれてゆく



顧みてどうにもならぬ閉塞に
  味噌汁を啜る今日は大根



耐へて尚罪の重さは消えねども
  天に星有地に焔有



城塞の中に籠って夢を見る
  人の形を映す幻燈



何処までもピントを外したる言葉
  書き連ねてゆく怠惰な夕べ
    昨夜の瞑想は塵垢に塗れ



血の色をもう長いこと見ていない
  皮の袋と化す模造品



生まれ出たメロディ−固定して憶ゆ
  不明の言葉に半分の命



影を成す私の影に笑いかける
  精神の条件をひと呑みにする



闇の中から手が伸びて
  殺してやろうかと囁き掛けて
    薄れる意識に眠り心地良く
      どうせ罪なら自ら裏切る
   チクタクチクタク
     針が止まった



静かに目を閉じ心広げて
  大気の中で私を失くそう
    ゆっくり大地の呼吸に合わせて
      天のリズムはきらきらと瞬く………



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