消費者と成りてその肉喰らふ也
  果て無き無駄の再現、再現



乱反射するプリズムの中に身を
  浸して凝っと冬の陽浴びて
    葬儀の列はしずしずと行く
      もっと静かにもっと静かに



深みには魔物が棲むと声の言う
  波打ち際で膝抱え呆け



熱さ故ミルクを飲まぬ猫と化す
  冷めるのを待つどうにもならぬ



差し込んだ光頼りに手探りで
  行く道筋に咲く蓮華草



漏れ出した光輝に照らさる大牙城
  悔悟したるは予定された過去



上空に蟠る影重く広く
  聳え立つ影の頂に光



長々と伸びた色違いの影を
  踊らせて立つ冬の落日
    血球浮かべ沈み行く白



満ち溢る光の繊維織り込んだ
  眼鏡の(ふち )に見ざる空白
    我の眼はぐりぐりと動き



半身を失って尚運行を
  続ける天の目の中の空無



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