沈黙を誘う冬陽の眩しさよ
  発光したる季節の終わり



手を伸ばす白い葉脈容赦無く
  頭上捉へる亀裂の一瞬



一瞥に無間 (むげん )の怨嗟込めらるゝ
  破滅を選ぶ我の右腕



瞬いた夜の瞼に鬼を見る
  黒の血脈どくんと跳ねて



蠢いた黒い欠片を踏みにじる
  何としてでも破壊してやる



どろり出る黒い(うしお )の中に立つ
  流るゝ屍体からカルマン渦



晒頭 (されこうべ )短い指で撫で回す
  千の目を持つ墓標の根本



鍋の底顔を見たるや殺したる
  相手の顔を冷たき昼に



薄めらる時間の中で迎へたる
  新しき年の惨劇に酔ふ
    愚行は(なほ )も続いてゆくか



食べ終わり銀の食器を片付ける
  独りで更けて行く秋の夜………



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