一枚の紙切れ落ちて一日の
  成果ずぶ濡れカレー焼け食い



袖口の火傷で残るボタン哉
  記念に二人して傷を撮る



困惑の表情 (いろ )を隠せず我が知人
  笑み浮かぶ也その場凌ぎに



どの塔も俺を見張ってゐるのだらうか
  人畜無害なこの叛逆者を



「何」と云う単語ばかりの文章を
  綴る我の目の虚ろな未来



漏れ出した白昼の憂鬱さやさやと
  風に(なび )けるおにぎりを食ふ



瓦解する夕陽の前に崩折れる
  黒い巨躯に傷付けたしこの目で



勝ち取らるものでなくして雪崩打つ
  小さき君の掌に自由
    不安に揺れるならば揺れ抜け



墨滴を垂らした夜に嘔吐する
  闇を求めて両眼を抉る



静かなる山の木霊の焼け枯野
  写し取ったり貧相な儘に



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