嗅覚を日光の下研ぎ澄ます
  廊下の埃静かに騒ぎ



solidな思考に放逐さる言葉
  冷たい大気にくるくる舞って



影を増す遠い青空窓に映え
  小さく縮む冬の幻日



漂白された夜の闇
  硬い舗道に靴音乱れ
    ウッと窒息してゆく不意に



貫ける輪郭の無い光の節
  影を与えてくれるのか我に



青々と夏葉繁れる森の端
  烏ばかりが何故か賑やか



救命具着けているのに溺れ死ぬ
  大衆社会の日の下に独り



日の光欠片の如き一(一字判読不明)
  我を照らせり白い肌白く



真っ白な絶叫と化す千切れ雲
  真冬の風は上空を統べ



わあんと響く無言の叫びが
  私の背筋を凍らせて哭く
    彼方に忘れて来た死と世界



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