ぴりぴりと薔薇の花弁を裂いてゆく 薄桃色の怖気の果肉 |
手を伸ばすポリープの様に広がってゆく やがて崩れてゆらりと潰れる |
じっくりと一箇の肉体たらんとす やがて消え去る区切りの境 |
ウラニアの霧のやもめに従って 道無き道を往く汽笛の子 |
怠惰にも灰の季節がある模様 さらさら毀れてゆく砂の城 |
藍染めの空を背に立つ病院の 窓の人影光眩しく |
濁る夜西に輝く一粒の 星を背に行くくぐもる木霊 |
切り取らる皮膚を片手に裸体画を 眺める我の足元に腸 |
改装後少しく空いたMuseumの ニスの匂いの中のヘルメス |
切り開く肉の袋の中に微笑 折れた歯のかけ中に/ぐいと詰め込む |