黙想す性の流れを蒸溜す
  きりきり痛む頭痛しつこく



焼き芋を冷まし幻影を追い払う
  冷たい冬は誤魔化しの後にも



びゅんびゅんと過ぎ去る薄い時間には
  星一つしか輝かぬ空



ゆっくりと血色沈む果ての空
  静かにそっと唇に触れ



紫の揺れる燐光闇に映え
  何か誕生して来る気配



夜闇からうっかり洩れたかの様に
  溢れ出て来る光の滴
    断りも無く弁明も無く



枯れ落ちた重い椿の花びらを
 虫が這う也もぞもぞカサカサ



波間より覗く未来が謎掛ける
  水と炎と光と闇と



音楽が生まれて来そうな夜なれど
  余り散文的なる光景



降りて来る不死を望んで飢える豚
  葉脈辿って破滅を刻み/描き



inserted by FC2 system