貼り付いた愛想笑いの力学を 　　数え上げつつニヤニヤ笑い

うらぶれた理念足蹴にされて伏す 　　どうも静かになって来た気配

渋滞を起こした脳の神経を 　　あやすさざ波反吐が出そうだ

広々と広がる空に陰鬱を 　　融かして進む静かな歓喜………

芽を出した芯の先には一雫 (ひとしずく ) 　　血が膨らめり未来書こうと

川流る花びらの上虫一匹 　　梅が奇怪に曲がる山道

鋼の根ぎりりと伸ばす白/黒巨木 　　滴る樹液卵溶かして

草花の裏踏んだ虫にも動く有る 　　しのつく雨で米炊いて食う

自由になった手足を広げ 　　大空の下飛び出して行く 　　　　我等の蛹羽は無けれど 　　　　　　やがては風に乗って宇宙へ！

秘密の扉を開けて見たのは 　　歓喜と法悦汚穢と恐怖 　　　　然れば我等の旗を掲げて 　　　　　　未知の土地 (くに )へと片道切符 　　　　　　　　さぁ　さぁ　さぁ！　ぐずぐずしている暇は無い！