船虫を土産と連れて帰る船
  更に腐った港の船虫



切り刻む頭と脳と顎と口
  遠くなりゆく事象の地平



ふっと見るひとつしか無い空の星
  空腹の他にむかつきが来る



鼻落とす空気吸い込む息をする
  免疫つかぬ悪臭を嗅ぐ
    体内で濾過出来るが不快



残光に照らされて死ぬ一日の
  命を限り永遠 (とわ )に繋げて



大地蠢く夕べの境
  我の身体 (からだ )に雷落ちて
    赤い卵が孵るその時
      カシオペア座には何が座せるや



秘めたあの()にちょいとお別れ
  ぱちんと墓閉じポッケに仕舞い
    今夜の殺戮だけに集中
      無理な夜空に願いをひとつ
        夜明けまでどうか目が覚めませんように!



闇に冴え我等が牙の輝きを
  凝っと見詰めるふたつの心



さてもやは夜も更けたれば腹も減り
  何を貪る退屈凌ぎに



遅緩する流れの中で目を凝らす
  確かにあった筈なのだ虹よ



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