(くるわ )には狂女がひとり常駐す
  どちらがどちらを利用するやら



藍色に薄く染まった積もる雲
  開く流れの先に太陽



寒気にも似た認識の気配する
  復活無いと解っているのに



平日と土日の差分に雨が降る
  死に近いのはどちらの静寂



赤に照る自動車の腹眩みたり
  映る顔には歪む眼差し



ものみなが滲み霞める夜の街
  乱視の我には闇より昏し



狂った時計に狂った時間
  眠りを妨げられて朦朧
    区切りは何処に流れるか阿呆



鳥跳ねる頭痛に水の音響く
  腐って死に行く真昼の廃墟



苔に花咲いた巌肌腰下ろす
  清流の音が忘れよと言ふ



砕け散る最後の石も手の平で
  凝っと切り傷誘って見遣る



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