うっかりと取り落としたる若き生
  生存許可証の文字は掠れて



打ち立てた言葉に墓標立ててやる
  私だけしか知らぬ言葉を



何もかも殺してやりたい時もある
  本気じゃないよと笑顔を付け足す



血の海が凝固してゆく流れ無く
  ずぶずぶ嵌まってゆく無為の儘



水槽の底に沈んだ星ひとつ
  拾う者とて無い濁る夜



死に絶えたビルの下行くとぼとぼと
  笑う前迄追い詰められて



芯ばかり何故かぐったり疲れ果て
  米食う我の隻眼に涙



毒虫を払い退けたる手に穢れ
  線引きされた世界の中で



焦点をずらし宇宙の重心が
  滑り込み行く彼方の閃光



氷雨には呪い懸った儘なのか
  流れる生気を傍手で見詰め



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