じんじんと痛む眼球動かせず
  我は泥の子只のでくのぼう



げんなりと豆に中った無人道
  派手に呪詛込めずんずん歩く



頭痛薬効かない儘で外に出る
  風も拭ってくれぬ低俗



眼鏡拭く消えぬ瑕跡確かめる
  (なま )で世界を見られぬ視線



実質は崩れた肉の塊か
  でろり手の平感触をぬぐう



蹲る高速道路下死角
  誰の視線も届かぬ筈の



話し声不意に目覚める夜中過ぎ
  どうにも遠い安らぎの床



眠気にも痛み和らぐ効果無く
  じとじと閉じ籠って行く思念



何物か我の行く手に重い影
  生きた柱と成ることの意味



肴には静かな狂気ひと摘み
  夜の書斎が吸い込めるもの



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