認識で変わって行くか我の脳
  一瞬毎に成っていた頃



大量に出土した後屑と化す
  記憶二重に記憶と成りて



ゆっくりと堰き止めらるゝ認識野
  どうしたことかとナイフで切り分け



泉にも腐敗の臭い忍び来て
  前日をまた繰り返すのみ
    だらだら延びてゆく薄い膜………



エンジンの掛からぬ儘に滑り出す
  ずるずる落ちる空遠くなる



何物か潜みゐたるや夜の海
  密度高い闇息圧し消して



(あぎと )には血の滴るか認識を
  圧し潰す莫迦のフラットな空



(あけ )沈む街の向こうに山の影
  北極星が蓋をしに来る



不調かと思へば実際不調な日
  熱い氷柱 (つらら )に凭れ掛かるか



ふと見ると私の中に白い影
  (はら )で呻ける明日の残照



inserted by FC2 system