客体化出来ぬ時間に埋もれて
  風に流さる谺移ろふ



つらつらと日向ぼっこをする寒い
  鳥肌我を閉じ込めてゐたり



何もかも解れ落ち行く柔らかな
  昼間の日差し死はそっと寄り添い



背広着た猿共が行く皺寄せて
  炎の贄を探して歩く



認識が鈍磨し切った白い日に
  佇む我の影がくっきり



日光に殺菌されてナイフ錆び



醜いな瘡蓋を成す脳の皺
  碌に膿もまだ出ていないのに



群畜と成れる自分に耐えられず
  自我像破く後味悪く



途切れ無き陰影遙か島宇宙
  浮かぶ形は生の永遠



偽物の光を放ち乍ら行く
  翼よあれが星の輝き!



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