お行儀の良い消費者と成る為に
  学校へ通う無数の児童
    首輪を持たぬ奴隷様々



万人の顔持つ巨大怪物の
  口開けて見る貪婪な舌
    あれもこれも食う私もお前も



目覚め後の目も当てられぬ惨状に
  再び眠るは罪か怠惰か
    空腹が尚急き立てて来るのに



排ガスで縁取りされた地平線
  黴の如くに家並み続き



フラットな舞台がフンと鼻鳴らし
  月影隠す真っ赤な夜に



不死の顔あらゆる視線受けて立つ
  醜い叫びに夜が嘔吐す



半月の少し撓んで滲む夜
  訳の分からぬ穢れの意識



深さ消え疲れが脳を固くする
  ぐつぐつ煮込むベッドの中で



筋肉痛の儘の足
  せかせか歩く家路を急ぐ
    空ろな成果山と積む巣へ



群集の中に紛れて一人だけ
  星を見上げるノイズ無視して
    ぐんぐん遠くへ結んで行く目



inserted by FC2 system