せっかちな雨粒を噛む喘ぎつつ
  さっきのシチューがまだ重たくて



ずっしりと重い胃袋雨に酔う
  回転を増す大気の唸り



落ち着いた崩落を見る洪水の
  中に沈んだ街の高みで



目の前のカップに歓喜満ちてゐる
  広がって更に広がる地平



捻じくれた砂の柱が燃え上がる
  沈黙の儘嵐狂って



断片で必至になって文脈を
  作る我には未完成の儘  



流れには時期がある也二度と無い
  繋がり今の(かた )憶えたし



雲ひとつ増減する毎完全に
  様変わりする秩序と形
    覗いた私に変わりは無いのに………



猫共が舌を詰まらせ窒息す
  姿を見たし言葉奪いたし



幕が開き黄昏れた太陽が顔を出す
  無数の死者が並んで昇る
    閉幕へ向けて世界が畳まれる



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