背後から解け出して行く微粒子が
  大気の中に拡散して行く
    私が夜の一部と成り行く



成るものに成った私の手を握る
  冷たく凍えているのは何故に



鼓膜打つノイズの気圧高まって
  自在に変幻してゆく魔性………



一色に染まって延びる上空に
  星の穴空くぽつんとひとつ



下らぬことで今もまた
  乱れた心鬱陶しくて
    脱ぎ捨てようと躍起になって
      何度も足踏みして先へ進めず



口に出す饐えた老婆の様に歩む
  自分を卑しくして唾を吐く



繰り出した話の数々継ぎ接いで
  やっと保っているのだ私は



無為の床只の退屈延べ広がる
  徐々に崩壊して行く真層



指揮棒を握る重心には水銀
  アッチェレランドを狂った様に



流動の緩急から来る渋滞が
  気息奄々夜を呼吸す
    肥満しまくる街の動脈



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