梗概を記した人生設計で
  言い尽くされた人の一生
    私は知らんぞ放置しておけ



普遍的形式求めサンプルを
  調べてみたり制度と承認
    不文と成文の微妙な違い



認識を求めて成った目の隙き間
  残り少ない残高を見る



沙漠行く痺れた足に血が固まる
  かあんと白い朝の地平線



もう何も考えたくもない晩の
  敗北水面下に潜って行く………



「我」「々」と呼べる程度の間柄
  ハーフミラーが分厚く閉じる



透けた羽明るい影を落としつゝ
  空をちょん切る立ち昇る青



風に舞う昨日の言葉宙に舞う
  ディゾルヴでまた風景が変わる



潮風に任せ倒れる松風に
  冷たき手首ぽこぽこと生え



百合の蜜ざっくり切って滴らす
  境内の蜂ぶんぶんと喚き



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