真っ暗な鍾乳洞の年輪を
  数えて過ごす火の待ち時間………



幾つもの(とき )を重ねてこの形
  作って来たか蹲る(いわ )



一緒には行けぬか広い緋の翼
  畳んで仕舞う空漠残して



真空を嫌う自然の所為でまた
  腐肉の悪臭漂う家に



俗事にて固まる前に消えた歌
  君を忘れぬ為だけに一首



跪き半端な祈り繰り返す
  禁じられたる言葉が言えない



どうしても消えぬ傷跡口の中
  切って出た血が苦く不愉快



石のみで剔抉したる浮遊思念
  消費形式後先考えず



廃屋の打ち棄てられたトタン屋根
  イタチごっこの始末は誰が



鈍重な口の侮蔑にカッとなる
  早くおさらばしたい凡俗



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