出口より列を成したる矮人の 肉を破れば闇が飛び出す 派手な腐汁がワルツを踊る |
結局は腐肉喰らひの一人哉 我の志操の心棒の欠如 |
類は友呼ぶかしぶとい雑食よ 汚い都会に黒い生き物 |
生きている弾けた視野が狭まって 嘴と成る肉を啄む |
分離する金の瞳に立ち向かう 嵐孕んで山がざわめく |
灼け付いた胃の腑の底に溜まりたる うんざりずっとぐずってゐたり 烏のガラガラ声が響ける |
ぐっすりと寝込んだ儘の本心は 火鏝で爛れ膿みを成したり どうしても外れようとせぬ猿轡 |
重い露葉の表面で玉成せり じくじく膿んでゆく水の精 |
散漫になった頭で考える 昨日殺したのは誰だったかを |
眠い日に惨めな霜が降りて来る カネに規定されたる時間 |