重い空重い手足に重い頭
  ずんずん沈み込んで行く夜へ



魂よ闇に結びて満ち足りよ
  遠慮をせずに産声上げよ
    光発して世界始めよ



結節に形見ゆるか大因果
  過去と未来の繋がりはあるか



海を見よ飛沫の壁をしかと見よ
  木の葉も同じ地を喪はば



空き腹に鈍磨する日を閉じてゆく
  山の懐に倒れ込みたい



わんわんと速い鼓動に焦点が
  幾つも出来る回転の群れ
    脈打つ世界が引っ繰り返る



何処からも漏洩は無いか確かめる
  黒い脳漿所与の水槽



頁には消えぬ折り目が居残れり
  重ね書きする無理を承知で



一介の黒い獣の小ささよ
  無知と傲慢どうでもよくなり



仏間よりくすねた写真そっと見る
  死んでも生きても妙な既視感



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