愛も死もぐだぐだに崩れ去って行く
  手遅れな朝の腐ったワイン



消化するひたすら何も考えず
  私の中を素通りさせる
    金に換算された時間を………



悪寒にも似た疲労感ぐったりと
  項垂れて我墓場を歩く
    粗く引き摺るはみ出た内臓



峻厳に聳えた筈の岩山が
  白く濁れり水槽の底



どうしても貴方と私相容れぬ
  ものなのかどうも判らぬな宇宙よ



イヤになりトイレの中で本を読む
  どんどん沈んで行く文字の中へ



凝っとして何も食べたくない朝に
  喉を詰まらす舌落ちて来て



緩やかに醗酵してゆく沼瘴気
  汚猥塗れの古い白骨



ゆっくりと再び動き始めた日
  ノスタルジーと化す現在感



ずっしりと要らないゴミと化してゆく………
  うざったい残熱の茎じんわりと
    膚融かして行く座臥の閉塞



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