発覚す我の欠点白々と
  嘘吐き通す友も無ければ



然もあらむ白い平原誰も居ず
  無機質の風唯吹くばかり



膝蓋にひびの入った夏の夜
  言い訳じみた汗と暑さと



グリースを塗りたる跡が恨めしい
  見た目通りの美ならぬ感触



松林二分音符を連打する
  何処へ抜けても残る濁音



眼鏡取る古いレンズの瑕浮かぶ
  濁りだらけの狂った世界



若い死を悼む勿れと声が言う
  葬儀の席で差異検討す



言い訳にならぬ小さな手籠もて
  肖像画描くせめてもの侘びに



影を成す凹凸見詰む万有の
  限りを思ふ沈み行く意識



彼と手を取りて船出す海原は
  穏やかなりき実に静かなりき



inserted by FC2 system