夕闇に紛れて流れ来る音の
  元も判らず酷く濁りたり
    我慢ならない腐れ濁流



快い調べをもっと聴きたくて
  我も饗和す全霊震わせ



雲間よりぽつんと堕ちた白天馬
  天のリズムの御披露目予定



真っ白なジェット気流に乗って行く
  変身の季節はもう直ぐそこまで



見た儘の惨状信じられぬ程
  温室育ちの偽善家だったか



数ばかりこなしてみても始まらぬ
  ひとつ抉る様な詩を書いてみたい



インクの付いた儘の手で
  キーボード打つ視野変える為
    ハード依存の言葉を紡ぐ



錯覚と思ひて嬉し涙拭く
  錯覚以外に何があろうか



赤い灯の小さく点る幻燈の
  地球儀が回る光放って



ぐらぐらと揺れる重心よろめいて
  前倒しになる一体の腱
    私はひとつの有機体なのだ



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