中途半端に滴った
  一瞬前の私の姿
    すかさず隠すなるべく気付かず



石化木抱いて眠った冬の夜
  星の見えない玉座のさびしさ



散らさるゝ集中力を青空に
  広げて想う多元層界



点さるゝ不連続なる青い灯を
  見詰め続けてゆけるだろうか



萎びた目金木犀の匂い嗅ぐ
  知覚頼みの存在の熱



振動が拡散して行く地平線
  声拾う者当てにはせぬが



白粉 (おしろい )をつけた鼻筋ぴんと長く
  大きな瞳はこちらを見上げる
    太古の象徴 (シンボル )と化したる顔だ………



無念まだ何処かに残っているか我
  過ぎた期待と知りつつ世界



朝焼けの真っ黒な雲に声上げて
  泣きそうになる悍ましい朝!



声に出すAはAだと言ってみる
  消えぬ違和感ずるずると引き摺り



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