凶暴な流れの中にまた独り
  大河を前に余りに無力



ぐだぐだと書き散らしたり断片を
  細かく砕け散ってゆく地平



濡れた目で仮面を着けた奴隷共
  横目で眺める買い物をする



全て皆換算可能な貨幣世界
  私の笑顔の代価は幾らか
    見えぬ所で払われた額は



支払いを済ませ黙って店を出る
  浮遊した儘の視線を連れて



毛穴から滲み込んで来る排気ガス
  灼けた大気の悪臭の中で



増長し肥大す市場経済の
  見えざる拳支持する阿呆
    マネー中毒世に満ち溢れ



回転を捉へて世界一点に
  寄せて集める恐れるやうに



じっくりと何度も何度も読み返す
  結局短く足りない触手
    求める全体手には入らず



風に乗り私を遠くへ連れ去らせる
  退屈に飽かせ外化する宇宙



inserted by FC2 system