現在がプレパラートの様にまた
  重なり合って不透明になる………



情念に敗北宣言したるかを
  伺い立てる知性と意志と
  薄い倦怠 (アンニュイ )無言で積もり



腹が減る鈍い眠気が重くなる
  駆け下りて来る五感の呼ぶ声



単一の名前誰かに()られたり
  敵は巨大で名前が無い



(うずら )から羽を毟って串通す
  聞こえた悲鳴は炭火にかけて



涸れ墜ちた捻巻き花を手に取って
  何処へ行こうとしている私は



余りにも巨大な倦怠天空に
  忙しい我の行動見下す
    陸橋に着けた飛行船に乗る



石の上潰された蟋蟀 (こおろぎ )が一匹
  踏みにじる踵思い切りの嫌悪



若干の改訂を経て今は()
  満了を待つ身で今日を喰う



それぞれの狂気に応じ我等また
  沈んで行くか昏き世界に



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