何遍も読んでしまった退屈を
  描いた書物退屈極まる



内奥の光必死に紡ぎ出す
  静かな夜に街灯暗く



何時の間に他者の欲望引き受けて
  流れに乗るや我の眼差し
    小さな嘘がひび割れてゆく



耳朶を打つ大気の響き囁いて
  溶けて行く也夕日の中へ
    早まって目を閉じれば寒気



目の中に針が見えるか偽善者よ
  赤いとさかを毟って焙る



声を聞く私の中の多様性
  捉えた限界それぞれの視点



輪の中の祭壇に贄捧げたり
  古い官能躰を満たして



如何わしい調和に懲りず惹かれたり
  何処で軋むか今度のプライド



一瞬が折り重なって亀裂()
  幻滅の臨界点は幾らか



内に向く方向に目を向かわせたり
  相も変わらぬぐじゅぐじゅの束



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