透明な紫の襞掻き分けて
  進むよ同じ陶酔の陰
    広がってゆく美しいもの



我等にもチャンスはあるや言葉無き
  想いを乗せて翼が重く



退屈に馴れ切った脳塩水に
  浸して綴る熟さぬ西瓜



やれやれと起きブラインド閉めてまた
  ぐったり寝込む微かな灯火
    何を待つでもなく夢も見ず



無記名の顔となりけりぽっかりと
  中心に穴開いた記号に



自分の名呼ばれ驚く自由世界
  今だ存在していたか我



袖捲り日差しと風と我の肌
  遮るものの無い新世界



透明な世界の中で失念す
  私を示す記号の数々



買い叩かれた地球の上に
  依然無力な虫けらの私
    深い溜息竜巻を起こせ



醜く肥大化したる資本が
  自我を捏ね上げ消費者にする
    素直な奴隷の豚の幸福



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