覚めやらぬ吐き気抱えてよろよろと
  書店へ向かう空腹の我
    うらぶれた目が鈍磨してゆく



寛いだ邪気を吸い込む満ち足りて
  ゆく感覚の何と爽快!



からからと濡れた路面に落ち葉転がる
  極く不調和な時期の反転



映さるゝ濡れた世界と格子窓
  頬寄せて唯重さに沈んで



冴え渡る緑の滝の爆発に
  身を委ねたり身籠った儘
    遙か広がり行く星の地平………



黯黒の祭祀の贄を用意する
  曜日に寝坊したり大豪雨



氾濫す白い流れが轟けり
  微細 (サトル )な聴覚澄ませてみたり



苛ついて同化させたる憤激の
  先にあるのは豊富な愚劣
    まだある まだある



陽の中に輝く墓標不在のみ
  強調したる唯の欠落



感触をなぞって確かむその論理
  記憶喪失の夜は更けて行く



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