感触がしつこく消えぬ額の窓
  慣れた不快に苦み切った笑い



人乗せて市場へ急ぐ乳母車
  巨大な溜息誰にも聞こえず



呪詛唱へ書き連ねたる日記帳
  星は黙して巨大な空漠



漆黒の髪を靡かせ墜ちる朝
  目が覚めた儘スピードは増して



解放を求めて止まぬ脈動が
  内出血してドバッと広がる
    ふらつく頭に星は入らず



雲母剥ぐ私と彼と薄い爪
  血が滲む程必死になって



窖に凝っと隠れた爆撃機
  操る者も無く朽ちる儘



神隠し逢って田地は元の儘
  名も要らぬ束街灯の下



ぐったりとあなたの胸に円い穴
  もっさり乾いたハンバーグを食う



散らさるゝ気力再び掻き集め
  ひたすら呟く悪鬼の自伝



inserted by FC2 system