選択の為された我の来し方に
  既に存在已めた深淵



自画像の余りの太々しい豚に
  燃やしてみたくなるだけの愚鈍



分裂の始まった頃の我の闇
  浮かぶ一人の顔は幾重に



際限の無い行程を繰り返す
  雪が降り積む丘に行きたい



片手間にノイラートの舟漕ぎ乍ら
  破裂してゆく小さな墓標



幽明の境に水は輝けるか
  さざ波立てて我を招くか



ふと角度変えたことから現れる
  非在の光景虫の音と鳴く



ふと蟹の脚をもいだり横裂きに
  固まった生の樹液がとろり



軍閥の鼻血垂らしたアルマジロ
  無骨な指はペンを握れず



自分でも解らぬ言葉書き綴る
  我の背中に「間抜け」の貼り紙



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