生命が横溢したる暴虐に 我の行く手を阻まれていたり 虫の一匹冥界へ啼く |
産卵の近い嫌悪がひねくれる 俗物共にはうんざりな洞 |
実質は輝く無駄の大集積 文明装う蒙昧百鬼 |
真実は海の底へと沈みけり 無力な小舟で何時迄も漂う |
デズデモーネが匿したる 女の秘密は当人も知らぬ 上手く逆転せられた幻滅 |
上碗に歯形のついた黒い人 枯れた怒りが生血を求める 意が知に勝り 前が後を忘れる |
人選を間違えたるか討論を 打ち切り言葉潰して歩く 今日は寝るより能が無さそう |
俯せになって砂地の匂い嗅ぐ 灼けた硅素が頬に喰い込む うわんと融けてゆく地球へ |
巨大ビル谺ばかりが騒がしい 無人も百万人も一緒だ |
靴を脱ぐ堅い疲労が声上げる 金稼ぐ為に費やした一日……… |