過度の欠落輪郭なぞり
  私は彼方の霞と消える
    幾つの山を越えたらいいか
      幾つの海を渡ればいいか



切って貼る出されぬ手紙抽出しに
  仕舞う記憶は風化する儘



猫の骨毛皮の下に感じ取る
  如何にも頼り無い肉の(かい )



強かに頭ぶつけて絶叫す
  流した血から狂気が山盛り



不死の水流した林檎に穴が開く
  二度と(いら )へぬ至純の宝玉



我々をバカにするのか夜桜 (よるざくら )
  血の杯には小指を浮かべ



目の玉をひっくり返し見て廻る
  嵐の小僧は火付けて廻り



息切れを起こす間も無く連れ回す
  昨日の夢の大展覧会



げっぷして焼いた乙女は食い飽きた
  夜の静脈に楊子を立てる



全体の一部としての文字並ぶ
  意味を剥奪してゆく過程
    残った影に焦点をずらし



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