疎略にされた倦怠が
  垂れ下がる空に広がってゆく
    美しい死の和解まだ先



ピチカート弾き返したフォルテシシシモ
  強制勢力は歯を剥いて笑う



白けた地平に旗竿晒し
  奇妙な夢に怯えつつ
    探索続ける我の手に書
      胎児の鼓動は渇いているか



念仏を唱える様な独り言
  縒り合わされてゆく合わせ鏡



ざわめいた大気掴んで引き寄せる
  覚醒してゆく殺意と認識



ひたひたと近付いて来る足音に
  首傾けて凝っと聴き入る
    凍えた手には口つけぬ果実



奸計を孕み佇む石の古都
  言葉通じぬ異国に独り
    何処へ導かるるのか知らず
      足を止めずにアーチを潜る
        私の魂は酔っているのか
          昏い秘密に惹き付けられたか



しのついた地表のひびが崩れ行く
  紫色 (しいろ )の闇が隙間を塞ぐ



入り乱る緑色した厚い火が
  地表を覆う直線飛行
    次から次へ延期さる果て



濃度もて測る夢の()切れぎれに
  我を悩ます目覚めるを待つ



inserted by FC2 system