地平線空の境は雲ばかり
  晴れ渡る青に永劫の停止



言葉が言葉を駆逐する時
  空いた空白を空虚が埋める
    そこに何を入れようと自由



投げ出したノートの前にペンを置き
  凝っと考え込むだけの私
    余白ばかりが紙面を埋めて



慰めと刺激を共に盛り込んだ
  本を書きたいベッドに転がる



滴った汚穢の中に立てる我
  睨む視線の向こうに私



面倒を避けまた別の面倒に
  首を突っ込む愚かな私
    若気の至りは図書館で忘れる



死を見たり恐ろしいより気味悪い
  感触先に立った葬式



濃淡を感じ取る指自転車で
  風を捜しに旅に出駆けり



切れ目から舌を出す目が憎くとも
  呆然と我突っ立った儘



どろどろの闇に巣喰った虫一匹
  城主が待っている大広間へ



inserted by FC2 system