昨夜から続く頭痛に原稿を
  消して綴った曲一曲
    聞く者も無く又死産也



石女 (うまずめ )と化した頭の重さ知る
  寄せる波には返す波あり



暁に醜き獣が歌を詠む
  狂うまいとして言葉を紡ぐ



()らば我死者と手を取り契約を
  結ばん崖の上の幻想



枯れ落ち葉栞挿んで読むハイネ
  後ろめたさに萎縮する午後



8階の窓際の席存分に
  吸収をする書庫は揺り籠



ゆっくりと時の流れる図書館で
  最新刊の洋書読む我
    奇妙に繋がり成らぬ感覚



不規則な睡眠に目を閉じてみる
  今日の帰りは書店に寄ろう………



雨が来て急な悪寒に背が狂う
  黙って破裂したい夕時



焦点を合わせた月がまた嗤う
  支点変更して反撃す



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