真っ赤な真っ赤なタクシーが
  墜落して来る天上裏から
    「お客さん、何処へ逝きますか?」
  そこで目覚めてアクビをひとつ
    今日も退屈な日になりそうだ



うるさいな騒儀の列のチンドン屋
  今度勝ったもはお前等じゃない



ぐんぐんと近付いて来る火柱輪 (かちゅうりん )
  コンパス持って計算する間に



吹き消した更なる盾の夜間灯
  また点ける也不満に燃えつつ



ぎらつけど(けぶ )った様な朝日受け
  文明の無駄に我慢がならない



ねとねとに腐った菌が道覆う
  高い秋空に動きたくない



幽明の光広がる空中に
  ぐわんと鳴った戸口のノイズ



黯黒の中に爛れたトンネルの
  清流深く誘いは我に



舌を出す酸で舐めるか虫喰い奴
  驕ったクズに枷を填めたり



猿轡咬ませて議論仕掛けたる
  拳に死ぬ程噛み付いてやりたい



inserted by FC2 system