贖罪の舞台と化した風景に
  静かに沈む役者の影達



血の色に蠱惑されたる絶滅期
  我と滅べや儚き舞台よ



単色の虹の麓の夢幻境
  噴き出した精抱えて眠る



暮れ行くか混じり溶け合う溶鉱炉
  悪魔の微笑にワルツを踊る



だらだらと吹いて来る風身を寄せて
  あなたと堕落してゆく深夜



鈴虫が蝉を乗っ取る熱帯夜
  姦しいのは同じだ莫迦奴



虹を見た蹲る山足元に
  転がる色の付かぬ風景



流れ行く(あだ )な陽光うんざりだ
  空白広がる明るい空間



陰影の確かな谷の底に川
  ずるりぬめった困惑の墓



質量を持った蒸気が通り過ぎる
  押し潰される街並みの壁



inserted by FC2 system