聳え立つ墓標の明かり見上げたり
  真の生命 (いのち )は何処に生まれる



狂風の中に立つ人影の
  視線の先を追って行きたい
    どちらが影か死を賭して試すのだ



鈴生りに照明の点る無人のビル
  昼の記憶が宙に彷徨ひ



容赦無く降り注ぐ白い刃の下
  我の焦点は何処へ彷徨ふ



ふらついて見上げた光入道雲
  居座る残暑が堂々と笑う



肉食の
  精神が
    肉を求める
      生でないといけない



ぢょっきりと紫陽花切って瓶に挿す
  だらんと舌がぶら下がる首



ぎらついた手摺眩しい階段を
  昇る重たい明日の欠如



行き先を決めやらぬ儘山道を
  うろつき回る我が名を捜す



偶然に任せゆらめく深緑 (ふかみどり )
  掻き混ぜてみる腐敗魅入れる



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