知的怠惰と嘘で固めた
  力瘤持つ男を蔑む
    力使えば加えて憎む



雨足が遠のいてゆく音に耳
  (そばだ )て乍ら知る夜の訪れ



(あだ )に波蹴立てて泳ぐ威信と力
  かかった費用が泡と消え行く



燃え上がる濃緑の杉天目指し
  駆け上がる葉に熱を孕んで



だだ漏れの脳髄捻る脳漿が
  血と混じり合ってぷかぷか淀む



跪き赦しを請うた蛾の中に
  光を見る我亡霊と共に



稜線にくっきり浮かぶ茜色の
  叫びが今天を引き裂いた



六才の子供が上げる冷酷な
  笑いを聞いて飛び込んだ川冷たい



牙の如く鋭く尖った前歯見る
  我もまた規格外れの人間



じんじんと痛む両足投げ出して
  ベッドで本を読み耽る夜
    何かが対決している暗に



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