吹苦痛にも貴賎はあるか川を見る 水の流れが無理難題じゃ |
しっとりと添えた両手の感触よ 違えた盟約血で証されたり |
ぎらぎらと肉に飢えたる肉の牙 誰も代わりになれぬ臨界 |
うそぶいた充実を隅に投げ遣って 発電発火暗がりでぱちぱち |
秘め匿す貝を がりりと齧る歴史砕ける |
思惑の何かあるやと疑へど 流氷遠く去りにけるなり |
稲光り遠い爆音夏の声 死者が宵闇避ける今時 |
窓の中立ち上がる光透かし見る 闇を欺き囁く彼等 |
うつろへる影を追いつつ夜が明ける 沈まなかった |
驟雨の中に 濡れて紛れて 独り 独り |