校庭に響き渡った嬌声に
  頭殴られ茶を飲む私



割れかけた石板に火を放ちたり
  爆ぜたる危機が怒り呼び込む



覚めたてのマーヤーの中踊り狂う
  生の歓び味わい尽くす



氷海に消えた卵を追い駆ける
  中の人は誰だったろう



厭はしき肌に貼り付くシャツを脱ぐ
  やたらと遅い風に毒吐く



砂丘より大口開けた渦が来る
  新しき世が紫色に燃える



抜け落ちた羽根に失意を託したり
  (とんび )の顔がぼとりと跳ねたり



落日の有り得ざる輝きに
  魅入る無風の不快に耐へて



氷棚続けて解けた網ふたつ
  引き上げた死の凍った言葉



しおらしく来た花嫁の横顔を
  踏みにじりたり真っ赤になって



inserted by FC2 system