悍ましい夢を見そうな熱帯夜
  浅い眠りに目覚ましの音



焼け石の背中(くすぐ )る無遠慮な
  微風の中に助け求めり
    全て溶解してゆく気温



ゆるゆると下り坂行く欠陥車
  前進するより他に道無し



真ッ赤に焼けた寒空に
  痛く広がる果て無き叙情………



にじり寄る猫に蛙を捧げたり
  愉しい惨劇ほったらかして



夜の傘畳んで遊ぶ影法師
  私はこんなに大きかったか



うっかりと素顔曝して覗き見る
  仮面の下には小さな鏡



醜いなこの肉体に耐へられず
  極力無視を決め込む我等



紫の空を稲妻切り裂けり
  気懈い悪がどべどべと流れ



死に絶えた夏の盛りの闘牛場
  邪な手が葬送曲弾く



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